愛羅武勇×総長様Ⅰ
休むことは出来なさそうだから、諦めて学校へ行くことにした。
準備はいつもよりもスローペースで。
何もかもにやる気が出なくて、準備の時間が、いつもの2倍もかかってしまった。
「行ってきまーす…」
誰もいない家に挨拶をして、家を出る。
完璧な遅刻だ。
まぁ仕方ないか、どうせならゆっくり歩いて時間を潰そう。
いつもはつけないイヤホンを耳につけ、久しぶりに音楽を聴きながらの登校。
たまにはこういうのもいいのかもしれない。
フッと携帯の時計を見ると、もう授業が始まっている時間。
そんなこと気にせずに、ゆっくりと歩いて行く。
道の端にあった自販機で、オレンジジュースを買って、飲みながら歩く。
「はぁー………」
自然とため息が出る。
ベンチに座って暇つぶししてたけど、さすがに暇になってきた。
「暇……」
ベンチを立って、さっきよりもスピードをあげて歩き出した。
学校へついた頃には、もう授業が3時間も終わっていた。
―ガラガラ…
休憩時間だったにもかかわらず、みんなの視線が一気に集まる。
少し緊張しながらも、あたしの席を見ると、いつもは開いている隣の席に人影。
「美憂おそよー(笑)」
「おっせぇよ、バーカ」
柚ちゃんと、海斗が話しかけてくる。
「あ、ごめんね…」
「何かあったんだろ?」
「あたし達に隠し事なんて出来ないんだからね」