愛羅武勇×総長様Ⅰ
その後の休憩は、英語の教師に呼ばれて説教。
当然、柚ちゃんとは話せなかった。
今日はほんとについてないみたいで、休憩時間は呼び出し、呼び出し、呼び出し。我ながら凄いと思う。
休憩時間は毎回説教。
そしてとうとう放課後に…
部活に入っている柚ちゃんと海斗は、あたしが怒られている間に、部活に行ってしまっていた。
結局話せなかった。
「ついてない…、有り得ない……」
今のあたしを表すなら、きっとドヨーンって言葉が一番似合うんじゃないかな。
ゆっくり靴を履き替えて外へ出ると、何故か門の周りに人がいない。
いや、違うか。
みんな近付けないみたい。
それもそのはず。
門の前には………無数のバイク。
それら跨っているのは、今日転校してきた不良君たちと、その仲間。
「…なにあれ…」
人ごみに紛れて、不良君達を見ていると、ど真ん中にいた金髪少年と目があった。
「怖っ……」
…………ん?
こっちに歩いてきてる?
「中原美憂。ちょっと来い。」
…………………ヤバいヤバいヤバいヤバい!!
なんであたしっ!?
「あ……いや…あの……」
ハッキリと話せないでいると、金髪の隣にいたオレンジ色の髪をしたやつに、腕を掴まれた。
「総長の命令だよ、ついて来て?」
優しく言ったオレンジ君。
可愛い顔をした子。