愛羅武勇×総長様Ⅰ
ニコッと微笑んだ可愛らしい顔を見て、少しだけドキドキした。ほんとに、少しだけ。
そんなことを考えている内に、いつの間にか渡されていたヘルメット。
「乗れ。」
「いや………でも…」
「いいからさっさと乗れ。」
冷たく言い放った金髪。
怖いから、優しく言ってください…
金髪くんの気迫に負けたあたしは、バイクの後ろに乗ってしまった。
バイクは嫌いだったりする。
うるさいから。
早くて怖いから。
あいつを思い出すから。
今考えると馬鹿みたいなこと。だけど、あたしにとっては忘れられない、大事な過去。
「降りろ。」
バイクに乗って数十分。倉庫のようなところにつくと、また冷たく言い放った金髪。
もっと他の言い方があるんじゃないの?
無言でバイクを降りると、今度はピンクメッシュのチャラチャラしたやつに腕をひかれた。
「こっちだよ」
周りには沢山の不良がいて、あたしを睨む。
いきなり連れてこられてこれですか…