愛羅武勇×総長様Ⅰ

「えぇーーーっ!?」

槙の横で絶叫する遼。

「何だよ、うるせぇな。」

敵意識のある恋汰は、すぐさま遼に毒を吐く。

それを聞いた遼はギロッと恋汰を睨んだ。

「さっきからお前うぜぇ。」

「喧嘩すんなよ。」

喧嘩になりそうだったところを、槙が止めてくれた。

「とりあえず、大智のとこ行こうぜ。話したいことあるし。」

「そうだね。遼!恋汰のこと睨みすぎだよ!」

「だって俺こいつ嫌いだもん。」

「俺だって嫌いだっつーの。チビ。」

「あ?まじうぜぇ。」

殴りかかりそうな勢いで恋汰の胸倉を掴む遼。

「ガキかお前は。」

またもや2人の喧嘩を止めるはめになった槙。


「はぁー……。」

大きくため息をついた槙は、あたしの腕を引き、ヘルメットを頭にかぶせた。

ヒョイッと体を持ち上げられたと思うと、バイクに乗せられた。


「美憂、行こっか。」

「あ、うん…そうだね。」

「じゃ、後はお前ら2人で来いよ。」

「「ふざけんなっ!」」

恋汰、遼が2人でこちらを睨む。

「何が悲しくてこんな奴後ろに乗っけなきゃなんねぇんだよ!」

「だったらそいつにバイク貸してやれば?俺美憂乗せてるから無理だし。」

槙がそう言うと、遼は悔しそうな顔をした。

「お前のせいだかんな!」

と、恋汰に文句を言う。

そんな風にいつまでも喧嘩をやめない2人を見て、呆れた槙は、2人を待つことなくバイクを進ませた。

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