愛羅武勇×総長様Ⅰ
「そりゃあ……企業秘密だよ(笑) っつーか、美憂には教えらんない。」
「あぁ、そういうことか。」
恋汰がそう言っただけで、槙は状況が分かったらしい。
あたしにはさっぱりだけど……
「おい恋汰、てめぇバラすんじゃねーぞ。」
もう一度恋汰に聞こうとしたとき、ちょうどいいタイミングで噂の遼が入ってきた。
なぜか顔が赤い。
……バイク乗って来たからほっぺ冷えちゃったのかな?
「遼寒くない?顔赤いよ。」
「寒くない寒くない!!」
あたしが遼に近づくと、恋汰と槙がニヤニヤし始めた。
「「遼君可愛いーっ!」」
「うぜぇ、お前らまじうぜぇ!」
そう言って、真っ白なドアの方へと歩き出した。
―ガチャ…
「遼?何だお前、顔赤くね?」
「何だよみんなして!!」
「は?お前大丈夫か?」
「恋汰、どこ行ってたんだ?」
遼に続いて入っていった恋汰に、風磨がそう聞いた。
「美憂のカバンとりに学校行ってた。」
「ふーん、そっか。」
「で、話は終わったわけ?」
恋汰がそう聞くと、風磨は少し困った顔をする。