愛羅武勇×総長様Ⅰ
「久しぶりだね」
―ピピピピピ…
「んっ…………」
目覚ましの音と共に、目が覚める。時間的には、早すぎるくらいだ。
早く起きたのには、ちゃんとした理由がある。
大ちゃんのお弁当を作るためだ。
「まだ5時半か……」
ダメだ、授業中寝ちゃうかも…
そんな風にくだらない心配をしながら、お弁当作りに取りかかった。
おにぎりを握りながら、大ちゃんが昨日言ってた双子の弟のことを思い出す。
勝手に想像してみたりした。
まず黒髪はないでしょ。
制服をきちんと着こなすっていうのも、絶対ないだろうし………
明るい髪色してて、ボタンなんか全開。口もきっと……いや、間違いなく悪い。
大ちゃんの弟だし。
まともなのは最初から期待していないから、きっとどんなのがきても、驚けないや…
そもそも、何が厄介なのかも分かんないし。
みんながあまり歓迎してないのは、何となく雰囲気で分かった。
でも、何でだろう?
大ちゃんの弟なのに。
とりあえず、茶髪の大ちゃんを想像してみた。
双子だし、きっと似てるはずだから。
うーん……、しっくりこないな。
やっぱり、大ちゃんは金髪がいい。
弟さんの髪が何色でも、きっとどうせ似合ってしまうんだから、考えても無駄かな。