愛羅武勇×総長様Ⅰ
「よしっ、できた!」
我ながらいい出来。
時計を見ると、まだ6時半になったばかりだった。ここで寝れば、きっとまた寝坊しちゃうだろうな…
「ねむーい……」
我慢我慢…
今日は大ちゃんが迎えに来るんだから。迷惑かけるわけにはいかないもん。
ゆっくりと、重たい体を引きずりながら、制服を手にとる。
〜〜♪
「わっ!?」
誰ですか?こんな朝っぱらから…
【神岡大智】
「……大ちゃんか」
―ピッ…
「もしもーし。」
『朝からテンション高ぇな。』
「大ちゃんも朝早くから起きてるんだね。」
『今日だけ。つーか今日は起きるの早ぇな。』
「今日はねー、大ちゃんのお弁当作ったんだよ! 約束してたでしょ?」
『あぁ、そういえばそんな約束したな。サンキュー。』
「うん。あ、そういえば、何で電話してきたの?用事あったんでしょ?」
そう聞くと、大ちゃんは数秒無言になる。
『………………』
「おーい、大ちゃんー?」
そして、小さく「鈍感女…」と呟く
『何でもねぇ、今日遅れんなよ?』
そう言った。
「へっ?それだけ?」
『悪かったな、それだけで。』
「いや、別にいーよ? 暇だったし、大ちゃんの声聞いて、目覚めたから!」
『……あっそ。良かったな。切るぞ』
「あ、うん、バイバーイ。」
すっかり目が覚めた。大ちゃんのおかげかな。