愛羅武勇×総長様Ⅰ

っていうか…

これって拉致?

拉致って犯罪だよね?

巻き込まれちゃった感じ?

あぁ、ほんとについてない日。


倉庫らしき場所の中を少しだけ歩くと、真っ黒な1つのドアがあった。

ドアを開けて中にはいると、一番最初に目についた真っ黒の大きな旗。


【龍泉】


「……龍泉…?」

「俺らのチーム名。」

それだけ言って、ドカッと黒いソファーに座った憎たらしい金髪。


「名前。」

はい………?

この状況で自己紹介!?

タイミング考えろ!

「俺、海崎槙莉(カイザキシンリ)」

あたしをここに連れてきた、ピンクメッシュのチャラチャラした男が言った。

槙莉………?

女みたいな名前。


「で、俺が成瀬遼(ナルセリョウ)」

笑顔が可愛い、オレンジ色の髪をした子がそう言った。

そして次に金髪君が口を開いた。

「…………神岡大智(カミオカダイチ)」

神岡大智の方を見ていると、隣にいた成瀬遼に手を掴まれた。

「宜しくね、美憂」

成瀬遼はあたしの手を、上下に激しく振る。

痛いです。


「大智は一応、龍泉の10代目総長なんだ。」

海崎槙莉はそう言った。

神岡大智が10代目総長…?

え、………名前メチャクチャ普通!

「………っ……」

笑いそうになったのをこらえた。

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