愛羅武勇×総長様Ⅰ
―キーンコーンカーンコーン…
ダメだ…
もう保たない…!
「大ちゃん、あたし保健室行ってくるね…」
「何で。」
「眠いから……」
2時間目が終わって少したった頃。あたしの睡魔はピークに達した。
「じゃ、行ってくる。」
フラフラと立ち上がり、教室を出た。
「後で行く。」
後ろで大ちゃんの声が聞こえたが、今は構っていられない。
―ガラッ…
保健室にいるはずの先生がなぜか今はいない。何でこのタイミングで…
「まぁいっか……」
勝手に寝ちゃお…
そう思い、ベットに入ると、寝るのに時間はかからなかった。
頭がフワフワして、そこからの記憶は全くない。
どれくらい寝たのか分からないが、頭を撫でられた、フワッとした感覚に、目を覚ました。
「ん………?」
ゆっくりと目を開けると、見知らぬ顔が。
「おはよ、つーか初めまして、中原美憂さん。」
誰…?
何で名前知ってるの?
「…誰ですか…?」
「俺?俺の名前は斎藤光紀。よろしく。」
斎藤光紀?
聞いたことないし、見たこともない。
あたしの名前を知ってるってことは、会ったことがあるのか……