愛羅武勇×総長様Ⅰ
「……転校生なの?」
「さぁ、分かんねぇ。でも、歓迎するような相手じゃねぇからな。」
「双子なのに転校生かも分かんないの?」
「何年も話してねぇし。今どこに住んでんのかも分かんねぇからさ。」
そんなに複雑な家庭環境で育ったの…!?
あぁ、でもそんな状況で育ったならあの性格にも納得出来るかも……
「あ、そういえば槙来たの?」
「いや、来てねぇ。遼も先に倉庫行ってるって。」
「そうなんだ、で……今どこに向かってるの?」
「龍泉の倉庫。」
「何で?」
「何でも。」
授業受けるのもめんどくさいから、別に問題はないけど、お弁当どうしよう……
折角作ってきたのにな…
「あっ、カバン!」
「持ってきた。」
斎藤君が居ても居なくても、どっちにしろサボるつもりだったんじゃない。
「ねぇ大ちゃん、斎藤君さ、悪い人そうには見えなかったんだけど。」
さっきから、気になっていたことを聞いてみた。大ちゃんの兄弟にしては、普通すぎる外見だったから。
「見た目だけな。つーか、あいつが黒髪とかありえねぇ。カツラじゃねぇの?どうでもいいけど。」
「そうなの?」