愛羅武勇×総長様Ⅰ

ついて直ぐ、大ちゃんに腕を引かれ、いつもの部屋に連れて行かれた。

「お、来た来た。」

「大智、光紀に会ったか?」

入って直ぐに、槙がそう聞いた。

「あぁ、思ってたより早いな。」

「光紀のことだからなー、よく分かんねぇし。」

遼が携帯をつつきながら、そう言った。

「何が思ってたよりも早いの?」

「光紀が動くのが。まぁ多分暇になったからだろうけど。」

いつか来るとは分かっていたが、気分屋だからよく分からない。

らしい………。


「前にも来たことあるの?」

「そりゃあ、あるよー。どれだけ大変だったか!」

遼がめんどくさそうな顔をして、携帯から目を離した。


「前いた学校まで乗り込んできて、そこで乱闘騒ぎ。」

槙が苦笑いでそう言った。

乱闘騒ぎ……?

え、ちょっと待って。

もしかして、大ちゃんの弟って大ちゃんよりも恐ろしい性格してるの?

「そのまま大智も槙も俺も退学。で、探しまくった結果、今の学校だけが、俺らを受け入れてくれるって。」

「…………うちの学校でも乱闘騒ぎ…ってことはないよね…?」

「さぁ、分かんねぇ。」

平然としている大ちゃん。

「有り得ないことではないだろ。」

槙まで冷静だ。

「今回はもっとヤバかったりしてー。」

「「「「……………」」」」

そして遼が言ったことに全員が言葉を失った。


「あ、そういえば…」

「何だよ。」

槙が何か思い出したように呟いた。

「美憂さー、光紀に顔見られたんじゃないの?」

「……………」

槙の言葉に、固まる。

保健室で会った。バッチリ顔も見られたし、名前まで知られてる。

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