シルバーブラッド ゼロ
「何で庇ったりしたの?」

 
エイジュが訊いてる。

「分からない」
 
自分の深層心理が何を考えてるかなんて、自分が一番分からない。
 
浩之は、まっすぐにエイジュを見た。
 
英樹の言う事を信じないのが一番正しいのかも知れない。
 
だけど、エイジュの中の何かが、英樹の言葉を信じさせてしまう。
 
淡々と、人を殺すところだろうか?
 
自分の怪我に対する、反応の無さ?
 
発達した運動神経のせいか?
 
どれも、訓練の賜物だと言えばそれまでだ。
 
なのに、何でだろう?何となく、エイジュに英樹の介入を感じる。
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