シルバーブラッド ゼロ
浩之は暫く、自分の呼吸と足音だけの世界を淡々と歩いて行った。

疲れが浩之の体を支配して来る

休みたい。

その気持ちと格闘しながら、歩いていると、見覚えのある廃屋の後ろ姿が目の上に見えた。
 
頭より高い位置にある地面に、廃屋があった。

浩之はその地面に近付いて、手を伸ばして這い上がろうとした。
 
左手を掛け、右手を伸ばそうとしたとき、肩がうずいて怪我をしていることを思い出した。
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