シルバーブラッド ゼロ
やはり、あの廃屋だった。

見覚えのある出入り口が、廊下の突き当たりに見えた。

あちこちに、薄いガラスのはまった窓があるせいで、中がけっこう見える。

「エイジュ?」

呼んでみた。

誰かいる気配はしない。

案の定返事はない。

浩之は、そばにあるドアを見た。

そこは浩之が見ていない部屋だった。

まだ、エイジュは来てないんだし、少し中を見ていようと思った。

浩之は、その部屋のドアを開けて中に入ってみた。

その部屋には窓がないらしく、真っ暗だった。

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