シルバーブラッド ゼロ
拳銃におさまる弾の数なんか知らない。

けれど、これで終わりじゃないのだけは、ハッキリわかる。

次は…

男を見た。

真っ直ぐこちらへ向いている。

次は、頭だ。

浩之は、目を閉じた。

破裂音がして、バラバラと頭上からガラスのカケラが落ちてきた。

目を上げると、そこに付けられていた蛍光灯が、弾を受けて砕けていた。

男のシルエットは、そこに凍り付いて立っていて、それからゆっくりと浩之の方へ倒れてきた。

「ごめんなさい、遅くなって」

< 129 / 192 >

この作品をシェア

pagetop