シルバーブラッド ゼロ
悠長に思った浩之は、彼女の瞳が、闇に溶けるような色から、鮮血の赤に移り変わってゆくのを見た。
まるで、彼女が月の魔法に掛かったみたいだった。
彼女は、半球形の青い石を身に付けていて、変化した瞳の色は、それとあまりに対照的で、攻撃的な色だった。
「ターゲット補足」
銃の安全装置を外す音と振動が、浩之の額に伝わった。
浩之は、銃口から目を逸らせて、のろりと彼女を見た。
何も感じていないような虚ろな目だ。
その目に、彼女の、燃える色の瞳が、戸惑った。
「あなた、時田英樹じゃ、無い」
浩之の顔に、不敵な微笑が浮かぶ。
「オレは弟だ。
兄貴にはよく間違われるけど。
でも、銃を突きつけられたのは初めてだな」
まるで、彼女が月の魔法に掛かったみたいだった。
彼女は、半球形の青い石を身に付けていて、変化した瞳の色は、それとあまりに対照的で、攻撃的な色だった。
「ターゲット補足」
銃の安全装置を外す音と振動が、浩之の額に伝わった。
浩之は、銃口から目を逸らせて、のろりと彼女を見た。
何も感じていないような虚ろな目だ。
その目に、彼女の、燃える色の瞳が、戸惑った。
「あなた、時田英樹じゃ、無い」
浩之の顔に、不敵な微笑が浮かぶ。
「オレは弟だ。
兄貴にはよく間違われるけど。
でも、銃を突きつけられたのは初めてだな」