シルバーブラッド ゼロ
浩之のハスキーヴォイスが、しっとりと薄暗闇に響いた。
 
浩之は少し声の出し方を変えるだけで、甘い声を思うままに作れるのだ。

が、この状況で出す声では、普通、無いだろう。



 
ショック状態の彼女、エイジュの頭の中で、は、誰かの命令する声が響いていた。

“目撃者は殺せ”
 
頭に焼き付いている言葉だった。
 
エイジュは、驚くように浩之を見た。
 
間違えてしまった。

確かに、目の前にいるのは、英樹とは別人だ。

背格好が、あまりに英樹にそっくりなので、間違えてしまった。


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