シルバーブラッド ゼロ
何をしようとしていたのか、自分でも分からなかった。
 
ただ、この音を聴いた瞬間、目が覚めたように、傷付いて血を吹く自分の手の平と、バスルームの床に転がったカッターナイフと、泣き叫ぶ母親の顔を見ている自分がそこにいた。
 
あの時と同じだった。
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