シルバーブラッド ゼロ
「でも、ちょう結びなら、

あなたは自分でほどけるじゃない。

きっと、冗談のつもりだったのよ」

「ちょう結びはね、

オレの顔のすぐ下にあったんだ。

当然、ぐるぐる巻きにされて、

手の自由なんか無かった。

そういう状態で、目の前に、

ちょっと引っ張ればいいだけの、

ちょう結びがあるんだよ。

手さえ動けば何でもなく助かる道がひらける。

なのに、肝心の手が動かせない。

こういう状況ってね、

気が狂いそうになるんだよ」
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