シルバーブラッド ゼロ
これは、偶然なんだろうか?

「どうしたの?」

エイジュは起きていたらしく、声を掛けてきた。

「寒くて眠れないんだ。

ちょっと歩いて、温まって来ようかな」

浩之は、毛布から出ると、アスファルトの方へ這い上がった。

道路の上も、変わりなく静まり返っていた。

ずっと道の向こうは、車じゃ無いものが湧き出してきそうに、闇が佇んでいる。
 
浩之は歩き出した。
 
上には星があった。
 
寒くて、息が白い。
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