シルバーブラッド ゼロ
英樹は、異様な輝きの目を、更に嬉しそうに光らせた。

「じゃあ、お前の方がエイジュに惚れてるのか?」
 
英樹は、こみ上げる笑いを制御出来なくなったらしく、ほとんど声の無い、引きつるような笑い声を上げた。

「だとしても、お前はオレに操られただけだ。

お前は昔から異様に赤いものに惹かれるクセがあっただろ?

その赤を、エイジュには持たせておいたんだよ。

髪と、瞳の色に。

二つともオレのアイデアだ。

もしどこかでエイジュとお前が会うことがあれば、お前はエイジュがアンドロイドとは知らずに惚れるんだ。

その確立がどれだけ少なくても、オレはそれを考えるだけで楽しかったよ。

しかも、今、その少ない可能性を乗り越えて、エイジュに惚れる間もなく撃ち殺されることも無く、一緒にいるんだからな」
 
< 95 / 192 >

この作品をシェア

pagetop