渇望
お昼の街は、裏の顔を隠し、若者で溢れていた。
瑠衣はサングラスをして歩き、やっぱり怪しさが滲み出ていて笑ってしまうのだけれど。
「アンタ、もうちょっとにこやかな顔してよ。」
「無理無理。
俺、街って苦手だし、人混みに酔う。」
ならば、何故連れてきてくれたのか。
笑いながら、怪訝な顔をする彼の腕を引っ張り、ファッションビルに入った。
「女ってホント買い物好きだよな。」
ボディーショップに連れ立ったあたしに向け、そんな嫌味さえ言われる始末。
でも、瑠衣を無視し、イチゴの香りのするボディークリームを手に取った。
彼は呆れたように笑っていて、でも、随分優しい顔をしていると思う。
「それ、いっつも風呂あがりにつけてるやつ?」
「そうそう。」
「甘くて美味しそうだと思ってたけど。」
そう言ってから、瑠衣はあたしの手に持つそれを取り上げた。
「百合って名前なのにイチゴの香りが好きだって、変だと思う?」
「思うわけねぇだろ。」
なんて言い、
「買ってやるよ、こんくらい。」
そして彼は本当に、あたしのボディークリームを買ってくれた。
確かにそう高いものではないけれど、でも、何だかもう、驚くことしか出来なかったのだけれど。
会計を済ませ、腕を組んで歩いていると、恋人みたいに見えるから不思議だ。
瑠衣のそういう優しさは、知っている。
瑠衣はサングラスをして歩き、やっぱり怪しさが滲み出ていて笑ってしまうのだけれど。
「アンタ、もうちょっとにこやかな顔してよ。」
「無理無理。
俺、街って苦手だし、人混みに酔う。」
ならば、何故連れてきてくれたのか。
笑いながら、怪訝な顔をする彼の腕を引っ張り、ファッションビルに入った。
「女ってホント買い物好きだよな。」
ボディーショップに連れ立ったあたしに向け、そんな嫌味さえ言われる始末。
でも、瑠衣を無視し、イチゴの香りのするボディークリームを手に取った。
彼は呆れたように笑っていて、でも、随分優しい顔をしていると思う。
「それ、いっつも風呂あがりにつけてるやつ?」
「そうそう。」
「甘くて美味しそうだと思ってたけど。」
そう言ってから、瑠衣はあたしの手に持つそれを取り上げた。
「百合って名前なのにイチゴの香りが好きだって、変だと思う?」
「思うわけねぇだろ。」
なんて言い、
「買ってやるよ、こんくらい。」
そして彼は本当に、あたしのボディークリームを買ってくれた。
確かにそう高いものではないけれど、でも、何だかもう、驚くことしか出来なかったのだけれど。
会計を済ませ、腕を組んで歩いていると、恋人みたいに見えるから不思議だ。
瑠衣のそういう優しさは、知っている。