不器用に、キミと。



「あんた、兄弟とかいんの?」


なんとなくで聞いてみると、男ゎ"いねーよ"と言った。



『てか"あんた"じゃなくてセージ。聖地。』


「う、うん…。まぁ覚えとく。」


『えらっそうだなぁ。気が強いオンナー。』


「うっさい!切るかんね?!」


『明日ヒマぁー?』


「は…」


『ヒマなんだろ?小川公園に来いよ。』


「ちょ…っ」


『一時ジャストに来い!んじゃ…ブチッツーツー…』


「は……」



通話が途切れたむなしい音。

携帯を片手に放心状態。


なんだ、この男…。


自己中で俺様で

無性に誰かを思い出させる。



振り回されているとわかっているのに、

行ったらバカだとわかっているのに、



私は



「おねえちゃん、ボールで遊ぼ!」


「ごめん、おねえちゃんスカートだから…」


「え〜けちー!」



この公園に来てしまったのだ。


(しかもスカートって自分…ι)



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