不器用に、キミと。
「ええっ?」
「騙したわね!この猿男!!!」
「さ…っ!?」
「うるさい!なにが目的なのよ!!!つーか!あんた誰!!この悪魔の僕!」
首を締め始めた私に、セージが苦しそうに「ギブ!ギブ!」と喚いていたけれど止まらない。
なんなのこいつ!
私のファーストキスは奪うし、過去の傷をほじくり返すみたいな真似して…
絶対許せない!!
「殺してやるぅうぅう!」
「ばかー!!早まるなやー!」
「うるしゃーい!!!あんたになにがわかるのよ!」
「いや、でも、兄貴にも理由が…っ」
「どんな理由?!あんたにわかるわけ?!
いっぺんに信じてた二人に裏切られた気持ちがわかるっていうのー!?
やっと掴んだ幸せが、ただの私の空回りだったときのこの気持ちがわかるの?!」
話せば話すほど、セージの顔がどんどんぼやけて歪んで見える。
後半は自分でもなにを言ってるかわからなくて、とにかく苛立って、それ以上に苦しくてあがきたかった。
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