不器用に、キミと。




「じゃなかったら口移しなんてしないし」なんて舌を出して言うから、恥ずかしくなって帰りたくなった。


初彼のキョウジとだってキスしたことなかったのに、弟のセージとファーストキスを…


そこまで考えて、はっとする。


弟って…


「あんたまさか中学生?!」

思わず口を手の甲で隠して後退る。


でも、セージはそんな私を見て、だからなんだとでも言うような顔をする。


「チューサンの受験生だしね。」



頭の後ろで手を組んで話すセージは、よく見れば少し幼く見えるけれど、背丈は私より普通に高い。


「あんた170あるよね…」

「172センチ。だから兄貴と並ぶと小さく見えるだろ。」


キョウジも今は170センチ後半の身長だけど、中三のはじめの頃は170センチなかったと思う。


よく見れば、顔だって、たぶんセージのが万人受けすると思う。


くっきり二重だけど切れ長気味の大きい目。
鼻だって横から見たら高くて、鼻筋がきれい。



キョウジは少し強面よりの顔だから雰囲気モテしてたけど、たぶんセージは一目惚れタイプが多そう。


ていうか、マンモス校だったから顔は見たことなかったけど、有名だった気がする!!



「一つ下に超カワイイ子いるーっ!」ってミーハーな子が騒いでいたのを思い出す。



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