不器用に、キミと。


「おーいおーい?」


気がついたらトリップしていて、目の前でセージが顔を覗きこんでいた。

「人の顔じろじろ見たかと思ったら、話聞いてねーし、まじイライラするんですけどー。お宅どういう教育受けてんデスカ。」


「だだだだって!いろいろ不思議なんだもん!あんたがっ中学生がなんで合コンにいたのよ!」


「年上が好きだから。てか自己紹介で、みんな中学生だってわかってたよ?」


「ああ〜…って、嘘!?」



あの時テンパっていて、たしかに男子の顔はセージとメガネしか覚えていないし、もはや名前はセージしかわからない。


「まあ、お前あんまノリ気じゃなかったみたいだし、慣れてなかったしね。いろいろ。」


舌を出して意地悪く言うセージは、絶対遊び慣れている。


言い返したかったけれど、中学生の方が経験値が豊富だと思うと恥ずかしいし悔しくて視線を逸らした。



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