不器用に、キミと。
「まぁ、さ?ファーストキス奪っちゃった俺が言うのもなんだけど、せっかく兄貴と仲直りしたんだから二人でぱーっと海行ってきたら?」
「え…」
「水着で兄貴メロメロだぜ。」
そこで一気に妄想ワールドに突入。
高校生ともなればビキニでしょ!
まだ肌焼けてないし、黒ビキニで攻めてみようかしら。
『まこと…まぢsexyだぜ…っ俺、もう我慢できねーよ。』
それとも、それとも!!
ピンクのフリフリで、ワンポイントにリボンつけてみるとか!
『お前っまぢ可愛い!誰にも見せたくねぇ!俺だけのもんだ!』
嗚呼!!
迷うよーうっ!!
なんだろ、キョウジって可愛い系がいいのかな?
それともセクシー系がいいのかな?
『何系もなにもねーよ。あえて言うなら…まこと系がいい。』
「きゃーっっ!海サイコー!」
「よし!じゃあ兄貴にも言っておくから!んーっと水曜日!水曜日朝9時に駅で待ち合わせな!」
半ば騙されたんだ…。
蒸し暑い店内で注文を取り終わると、どっと疲れが増した。
キョウジ…。
頭にタオルを巻き、黒Tシャツの袖を肩まで捲り、タンクトップを着てるみたいな着こなしで、焼きそばを焼いているキョウジの姿を見つめる。
この姿をみれるだけで幸せ…。
そう思う私は重症だと思う。