不器用に、キミと。
「みんなよく働いてくれた!今晩は打ち上げだ。」
当たりは真っ暗になり、お客はもういなくなっていた。
でも、これから打ち上げじゃ最終バスに乗れなくなってしまう。
「なので、今晩は、よかったらうちに泊まっていってください。」
遠慮がちに店長の娘さんの舞さんが言う。
「そだよ〜泊まれや。」
店長に肩を抱かれ、キョウジとセージは苦笑いだけど、満更でもなさそうに「仕方ないっすねぇ。」と言っていた。
ぶっちゃけ、泊まれって言われても、雑魚寝になりそうだし…こんなんでも私だって女だから、男三人がいる部屋では寝たくない。
キョウジを見ると、ふと目があってフッて彼が笑った気がして、胸がキュンとしてしまった。
バカバカ!
あいつは浮気男なのにぃ〜っ!
逸らした目をもう一度戻すと、キョウジはまだ私を見ていて、今度こそ胸の鼓動が早くなる一方。
すきっ!
クラッとキョウジのフェロモンにやられそうになったとき、舞さんが心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「お泊まりなんて大丈夫?お父さん強引だけど、無理なら私から話すよ?」
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