MOON LIGHT


とても仲が良かった私と聖。


いっつも一緒に遊んでた。
2人一緒だったら、何でも出来た…。


私達にとっては、私達だけが重要で…
他の人の事はなんとも思わなかった。



その日は、日曜日だったのを覚えている。

春が始まって少し暖かくて、その時6才だった私達はいつも通り室内で遊んでた。


2人で絵本を読んだり…
テレビを見たり…
あの時はとっても楽しかった。



両親は近くのデパートへ買い物しに行っていた。


『アハハ…これ面白いねーっ』


2人でテレビを見て笑いあってた時だった。


“ピンポーン…ピンポーン…”


家の呼び鈴が鳴った、その時の私達は両親が帰ってきたのかと思っていた。


『お母さん達かなぁー??
雅が開けてくるねぇー』


『うんっ、俺はテレビ見てるー』




こんなやり取りを交わして、私は大きな玄関を開けに向かった。


誰が待っているかなんて、微塵も考えずに…。



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