MOON LIGHT
「…っ…だって…なぃ!!」
お母さんが何か叫んでいるのが見える。
それを必死に止めているお父さんと…
隅でそれを見ている聖。
私は、2人の会話にそーっと耳を傾けてみた。
「この子はっ…あの子のせいでっ!!」
「落ち着け、雅が起きてくるだろ…!?」
「だってっ…だってぇっ!!」
お母さんと、お父さんのやり取りがするっと頭に入ってくる。
頭が真っ白になる…。
また、ドアの向こう側に目をやる。
『…っ!!?』
聖と、目が合った気がした。
視線がぶつかって絡み合う…
聖の瞳に光はなく、深く暗く淀んでいた。