MOON LIGHT


「まったく…、雅お姉ちゃんは朝に弱いからっ…もう」


「アハハ…ごめん、ごめん」


学校までの道のり。
いつもと変わらない朝の風景。


「ったく、直す気ないでしょー」

私の隣で笑っているのは、いとこの長谷川 海斗(ハセガワ カイト)。

家の都合で、私の家に住んでいる。

って言っても、私の両親は海外を飛び回って居るから実質は私と海斗の二人暮しになる…。


まだ中学2年生にも関わらず、私なんかよりしっかりしてる海斗に世話を掛けっぱなしだ。


「ハァー…、私も海斗位しっかりしてたらなぁ…」


「…??
お姉ちゃん、もう着いたよ?」

溜め息混じりにぼやきながら歩いていると、いつの間にか学校に着いていたみたい。


「あ、あぁ…うん」


顔を上げると、目の前に広がる大きな校舎。


初めてこの校舎を見た時はすごく驚いたもんだっけ…。


この学校は、初等部・中等部・高等部が一緒になっていて、偏差値も高くその上お金持ち学校としても有名だ。


初等部で受験をしたら、定期的に学力テストがあって後はそのままエスカレーター式になっている。

私は今、その高等部1年で海斗は中等部2年。

だから、こうやって毎朝一緒に登校している。



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