めろんぱんmelody
「あぁ~…
新撰組の沖田と同じ苗字ですね」
あ、
同じこと考えてた。
なんか嬉しい。
「でも新撰組なら、
やっぱり近藤か土方ですよね」
真ん中あたりの席にいる、
いかにもチャラい男子が手を挙げた。
「せんせ~
新撰組って何した人ですかぁ?」
先生は、
その生徒を見た。
それまでは窓の方を見たり、
手にしたチョークや
マスクを見ていたんだけど…
目が合った時は、
びっくりして顔なんて覚えてなかった。
それに、眼鏡がよく反射してる。
もしかして……
先生、
結構かっこいい…?
それはほんの数秒で、
先生は後ろに振り向き、
手にしていたチョークを元の位置に戻した。
「あぁ~…
僕は国語の教師ですからねぇ…
歴史の先生にでも聞いてやってください。
きっと喜んでこたえてくれますよ~」
先生は、
少し苦笑していた。
斜め上を向いたから、
眼鏡が反射して
口角が少し上がるのだけがわかった。