めろんぱんmelody
しばらくして、先生が
ガバッと起き上がった。
「あぁ~…」
…口癖だろうか。
あ、れ……?
こっちに近付いてくる。
さっきまで寝ていたせいなのか、
また眼鏡がくもっていた。
「村田…咲希」
「はっはい!!!!」
また喉がきゅーってなって、うわずった声が出てしまった。
だって、近くだと先生の顔がよく見えたから。
眼鏡越しに見える先生の黒くてまっすぐな目が、
今までのだらだらした先生と対照的だった。
ひげがなければ…
でもその時の私は、
その無造作に生えっぱなしのひげでさえ、
魅力的に感じてしまいそうでした。