お家
それを聞いたお母さんは急に穏やかな顔になった。




「雪、落ち着いて聞きな。」




「な、なに?」





「あたし、結婚することにした。再婚。」




田中さん?村山さん?石松さん?てかお母さん病気は??




「相手は、田中さん。雪には愛がついてるから問題ないと思うけど、あたし、北海道のほうに行くの。雪、あんたは最低でも、高校卒業するまでこっちにいな?」




なに勝手に。



第一、なんでたおれたんだよ。



「お母さん」



「ん?」




「どうして倒れたの?」




「あーただの食中毒。」



そうなんだ。


じゃあ愛ちゃんはずっといるの?




ここ数日間、とても充実した日々を過ごしていたから、愛ちゃんがいるっていうのは素直にうれしい。





「お金はあたしが仕送りするから、愛とがんばって?愛、手、出すんじゃないよ?」



「皐さんに言われたかねーよ。」




なんか話についていけてない私。






「じゃあ来週荷物取りに帰るから。」



「わかった。」



「勉強頑張りなよ?」



「うん。じゃあね」



私と愛ちゃんは病院を後にした。
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