お家
「あの・・・『テメエが泣くんじゃねーよッ!』




まあたしかに。






父は、私と母を捨てた。






「雪。こんなところに住んでたのかぁ!ごめんなぁ。俺がもっとしっかりしてれば・・・。」




そんなセリフ聞きたくない。




こんなところ?お母さんが一生懸命働いて借りたアパートが?





しっかりしてれば?・・・笑わせる。




「雪、お父さんと一緒に住もう。」





「・・・・やだ」




「なに?」




「死んでも、死んでもあんたとなんか暮らすかッ!くそじじいッ!!!!」





この言葉は私の口から出たのか?(笑)






「ってこと。テメエは父親失格。てかそれ以前の問題。」




早く帰れと付け足すと、父がかけていたメガネを鷲掴みにしてレンズを割る愛ちゃん。





「お、お前はなんだッ!!犯罪だぞッ!」





「俺?俺は雪の父親兼保護者&彼氏。」




「・・・。」






外は白い雪が降っていた。




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