お家
「ねえ、どんな先生だった?」





「えっとーメガネかけた40半ばくらいのちょっとハゲたおいちゃん?」




あ、きっと安藤先生だ。





安藤先生は通称、『いとこのおじさん』だ。いとこのおとうさんみたいに絡みやすいからと、クラスの男子は言っていた。




受け持ちの科目は美術。




部活は、美術部の顧問。






「その先生、なんて?」




「秋本さんの保護者さんですか?どうぞこちらへ。だって」





ふーん。




なんなんだろ。




ガラガラガラ・・・・





「ああ、秋本、佐々木さんにも。お話がありましてね。」





と、愛ちゃんの前の机に座る安藤先生。





そこ座っていいのかよ・・・





「単刀直入に申し上げます。佐々木さん。」





「はい?」




「何者ですか?」




愛ちゃんと私は、血のつながりがない以前に、全くのあかの他人。




他人・・・っていうのかな?






ちょっとさびしい。





「人間です。」





っておいおいおい。



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