Romance Cutter ―初恋の傷請け負い人― 第六話・最終話
「…まるで、好きな人への告白みたいね、それって。」


「…分かった。じゃあ、私の事、ずっと見守っていてね。
…私が、二度とロマンス・カットをしない様に。お願いよ、ね?」



それからと言うもの、ケイは常に、ほのかと一緒だった。元々いとこ同士という関係(ほのか-夕霧賢の娘、ケイ-賢の妹の息子)が、二人が世間的には兄妹だとしても、ほのかを好きである事への抵抗を和らげていた。
ほのかもほのかで、常に自分に対しては、他の人よりも特別に優しいケイに、次第に義兄ではなく、一人の男性としてみるようになっていった。


-同じものを食べ、同じお揃いの服を着て、同じ色のロマンス・カッターを買い揃え、悲しい時や苦しい時は共に分かち合い。


全てにおいて、分かち合い…-


…ならば、本当にそうならば、どれだけ良かったであろうか。もしそうであってくれさえすれば、ほのかは自ら命を絶つことなど無かったかも知れない。
…順序が逆であれば…
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