Romance Cutter ―初恋の傷請け負い人― 第六話・最終話
-好きな女の子に尽くし続け、そのお礼が、「申し訳なさ」から来る涙ではかなわない。-


…ケイも、次第に笑顔が少なくなっていた。
そんなある日、賢の妻である恵美-ケイからすれば義理の母。ケイが夕霧家に養子にもらわれてくる前にすでに他界-の夕霧本家での法事に、夕霧本家・分家含め、大所帯で集まる機会があった。
…そして、その夜の食事会での出来事…


「いゃあ~賢さん。あなたの所のほのかさん、以前お会いした頃から比べると、すっかりええ娘さんになられましたなあ。」
「ええ、こんな別嬪を娘にもって、私も鼻が高いです。」
賢は、右隣に座っているほのかの方に目をちらりとやりながら言った。
「やだ、お父さんったら…ええっと、あっそうだ、他の分家の人達にも挨拶にいかなくっちゃ…」
ほのかは照れ隠しに、その場から離れていってしまった。
「…ふふっ、可愛いお嬢さんですな。まあ、それを言えば、ここにいるケイ君も、とびきりの美男子だ。」
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