Romance Cutter
―初恋の傷請け負い人―
第六話・最終話
「は、はあ…どうも。」
「まあ、いずれこの家を継ぐ子ですから。」
「お義父さん!だから僕は、前にも言ったけれど…」
-継ぐ気なんて無い!いつかこの家をほのかと一緒に出て行って…-
「全く、今のほのかさんやケイ君を見たら、恵美さんもさぞ誇りに思われていたでしょうなあ。」
「…ああ~っ、ずるい!全く賢さんはずるいよ。何でもとびっきりの物じゃないと駄目なんだから。」
「またですか?弥助さん。あんたの悪い所は、酔うとすぐ人の所有物をうやらみねたむ癖がある。京子さん!お宅の亭主をなんとかしてくださいよ。」
「何だとぉ?」
周りがざわつき始める。賢と弥助の間で険悪なムードが広がりつつある。側にいるケイも、居心地の悪さに、ほのか同様、席を外そうと立ち上がった。
だがその時、ふいにケイの右腕をぐっとつかむ者がいた。弥助であった。ケイは驚いた。
「な、何をするんですか?」
「つれないねえ、ケイ君。最後までおじさんの話を聞いてってよ。」
「まあ、いずれこの家を継ぐ子ですから。」
「お義父さん!だから僕は、前にも言ったけれど…」
-継ぐ気なんて無い!いつかこの家をほのかと一緒に出て行って…-
「全く、今のほのかさんやケイ君を見たら、恵美さんもさぞ誇りに思われていたでしょうなあ。」
「…ああ~っ、ずるい!全く賢さんはずるいよ。何でもとびっきりの物じゃないと駄目なんだから。」
「またですか?弥助さん。あんたの悪い所は、酔うとすぐ人の所有物をうやらみねたむ癖がある。京子さん!お宅の亭主をなんとかしてくださいよ。」
「何だとぉ?」
周りがざわつき始める。賢と弥助の間で険悪なムードが広がりつつある。側にいるケイも、居心地の悪さに、ほのか同様、席を外そうと立ち上がった。
だがその時、ふいにケイの右腕をぐっとつかむ者がいた。弥助であった。ケイは驚いた。
「な、何をするんですか?」
「つれないねえ、ケイ君。最後までおじさんの話を聞いてってよ。」