Romance Cutter
―初恋の傷請け負い人―
第六話・最終話
ケイは、そのまま病院に運ばれ、何日か危険な状態が続いた。
しかし、何とか峠を越したケイは、賢やほのかに見守られる中、意識を取り戻す事が出来た。
「…少し席を外して。お兄ちゃんと二人きりで話がしたいの、『お義父さん』。」
「ほ、ほのか…」
「…馬鹿!お兄ちゃんの馬鹿!何してるのよ一体!お父さんがいくら聞いても、その怪我の事を話さなかったけれど、私には分かるわ!
…自分で切ったんでしょ?それも、自分自身のロマンス・カッターで!」
泣きながら、ほのかはケイに抱きつき言った。
「…もしかして、自殺するつもりだったの?私との関係に悩んだ末に…」
「…自殺か。それなら、まだいい。少しはそのつもりだったけれど。
…もっと、悲しい事、やった。」
「君への想いに、終止符を打った…」
よくよく見ると、ケイの肌の色が、以前にもまして白くなっている。表情も、以前に比べて乏しい。
ほのかは直感的に理解した。
-これは、感情のほとんど無かった頃の、私そっくり。だからきっと、今のお兄ちゃんはすでに-
しかし、何とか峠を越したケイは、賢やほのかに見守られる中、意識を取り戻す事が出来た。
「…少し席を外して。お兄ちゃんと二人きりで話がしたいの、『お義父さん』。」
「ほ、ほのか…」
「…馬鹿!お兄ちゃんの馬鹿!何してるのよ一体!お父さんがいくら聞いても、その怪我の事を話さなかったけれど、私には分かるわ!
…自分で切ったんでしょ?それも、自分自身のロマンス・カッターで!」
泣きながら、ほのかはケイに抱きつき言った。
「…もしかして、自殺するつもりだったの?私との関係に悩んだ末に…」
「…自殺か。それなら、まだいい。少しはそのつもりだったけれど。
…もっと、悲しい事、やった。」
「君への想いに、終止符を打った…」
よくよく見ると、ケイの肌の色が、以前にもまして白くなっている。表情も、以前に比べて乏しい。
ほのかは直感的に理解した。
-これは、感情のほとんど無かった頃の、私そっくり。だからきっと、今のお兄ちゃんはすでに-