Romance Cutter
―初恋の傷請け負い人―
第六話・最終話
「感謝?残念だけれど、僕はお義父さんに感謝される事は何一つしていないよ、きっと。
心が壊れていた頃の僕は、お義父さんに置き手紙をした本当の意味が分からず、面として話して出て行くのが恥ずかしかったからぐらいにしか考えていなかった。
でも、こうして感情が戻りつつある中、お義父さんに置き手紙をした本当の理由が分かった。
僕は、ただお義父さんを利用していただけだって。黙って行くと、家出だけではなく、事件性を考慮されて捜索願が出される。
きちんと伝えていれば、旅の理由が分かるので事件性はないと考える。それと同時に、ロマンス・カットと言う異常な旅だと分かっていても、お義父さんの、僕に対する負い目の為に、捜索願を出さずにそのまま行かせてくれると踏んでいたんだ。
…そんな、人の気持ちを利用してまで、自分の目的を果たそうとする、ひどい義息子なんだよ僕は。
…殴って良いよ。」
心が壊れていた頃の僕は、お義父さんに置き手紙をした本当の意味が分からず、面として話して出て行くのが恥ずかしかったからぐらいにしか考えていなかった。
でも、こうして感情が戻りつつある中、お義父さんに置き手紙をした本当の理由が分かった。
僕は、ただお義父さんを利用していただけだって。黙って行くと、家出だけではなく、事件性を考慮されて捜索願が出される。
きちんと伝えていれば、旅の理由が分かるので事件性はないと考える。それと同時に、ロマンス・カットと言う異常な旅だと分かっていても、お義父さんの、僕に対する負い目の為に、捜索願を出さずにそのまま行かせてくれると踏んでいたんだ。
…そんな、人の気持ちを利用してまで、自分の目的を果たそうとする、ひどい義息子なんだよ僕は。
…殴って良いよ。」