Romance Cutter ―初恋の傷請け負い人― 第六話・最終話
考えてみれば、ほのかが自殺したのも元はと言えば、僕が先に、ほのかとの未来に絶望し、一方的にほのかへの想いを絶ち切ったせいだ。
僕がほのかを捨て、傷ついたほのかも未来に絶望し、それで…


…よくよく思えば、もう少し僕が頑張っていれば、ほのかの笑顔が手に入っていたかもしれない。きっと、ほのかは死なずにすんだ。


僕がほのかを…殺したんだ!-


今やケイは、自責の念に押しつぶされそうな状態であった。


「やっと分かった。きっと、ほのかの遺書の真意は、私と同じ苦しみを負って、苦しむだけ苦しんで生き続け、そして死になさい、と、言う事なんだ。」


…日を追うごとに、物がぐちゃぐちゃに散乱する自身の部屋の中。
そしてそれらに囲まれ、部屋の中央に立ち尽くすケイ。無意識に振り返ったその先-ケイの机の上-にあったある物に、ケイの目は止まった。


-血にまみれ、すっかり錆び付いた、ケイのロマンス・カッター!-
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