Romance Cutter ―初恋の傷請け負い人― 第六話・最終話
だが、それからしばらくたったある日のこと。ケイは、偶然にもその理由を知ることとなる。
学校の帰り道。街の図書館に寄る為、電車を途中下車したケイは、ある街角で偶然ほのかを見かけた。


-あれっ?確かほのかは僕に先に帰宅するからと言っていたはず…-


よくよく見ると、ほのかはまだ制服姿だ。どうやら寄り道をしているらしい。誰かと一緒にいるようで、二人で何か話をしているようだ。


-一体誰と話をしているんだろう-


ケイが不思議に思っていると、不意に、ほのかともう一人の人物は、すぐ側にある狭い路地に入っていった。
その様子を見たケイも、二人に気付かれない様に、適度に間隔を保ちながら、二人の後を追っていった。
二人とケイがたどり着いた場所は、特に何があるわけではなく、周りが壁に囲まれた、ただの路地の突き当たりであった。
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