Romance Cutter
―初恋の傷請け負い人―
第六話・最終話
ケイはそれを掴むと、目を見開いて、まじまじと見つめた。
よく見ると、カッターの根元から数えて三枚ほどは、錆び付いていなかった。
ケイは、錆び付いて悪くなっている所を、少し力を入れて、ポキンと折った。
すると、短くはなったが、鈍い光を放って、新たにロマンス・カッターはよみがえった。
ケイは、その光に今、魅入られていた…
丁度この日、夕霧本家には、とある来訪者がいた。そしてその人物は、夕霧本家の当主、夕霧賢と座敷で顔合わせをしていた。
「…私と妻との間には、長らく子供が出来ずにいて、そこで妹の子、ほのかを養女にもらったんだが、この子は生まれつき、感情の乏しい子だった。
いずれは私がいくつかリサーチしていた、財閥の御曹司と結びつけようと頂いた子だったが、そう言うわけで、それが叶いそうになかった。
よく見ると、カッターの根元から数えて三枚ほどは、錆び付いていなかった。
ケイは、錆び付いて悪くなっている所を、少し力を入れて、ポキンと折った。
すると、短くはなったが、鈍い光を放って、新たにロマンス・カッターはよみがえった。
ケイは、その光に今、魅入られていた…
丁度この日、夕霧本家には、とある来訪者がいた。そしてその人物は、夕霧本家の当主、夕霧賢と座敷で顔合わせをしていた。
「…私と妻との間には、長らく子供が出来ずにいて、そこで妹の子、ほのかを養女にもらったんだが、この子は生まれつき、感情の乏しい子だった。
いずれは私がいくつかリサーチしていた、財閥の御曹司と結びつけようと頂いた子だったが、そう言うわけで、それが叶いそうになかった。