Romance Cutter ―初恋の傷請け負い人― 第六話・最終話
「ケイ君!」
そう言うが先か後か、身体が勝手に反応し、未恋は、靴下のまま庭に降り立っていた。
「あっ、君!」
賢がかける声も、未恋の耳にはすでに届いてはいなかった。


-ケイ君!-


離れ家に向かって一心不乱に駆けていく、未恋。何か妙な胸騒ぎがしてならない。
ようやくたどり着いた、その離れ家。息を付く間もなく家の中に入り、部屋のドアの前に立った。
「この中…に?」
未恋は、呼吸を整え、一気にそのドアを開け放ち中に飛び込んだ!




-…誰もいない?-


陽の日差し乏しいその部屋は、ピンク調のインテリアで整えられた、ほのかの部屋だった。
未恋が呆気にとられていたその時、


-ギシッ…ギシッ…-


今、天井の方から誰かが歩く音が聞こえた。。
未恋は、そっと部屋を後にして、辺りを見回した。
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