Romance Cutter
―初恋の傷請け負い人―
第六話・最終話
「恐らく?」
「…恐らく、戻らない、ずっと…
これはきっと、僕がほのかを捨てた罰なんだ!ほのかが、僕に用意した裏切りへの罰なんだ。
…笑顔が戻らない苦しみを、死の床へ就くその日まで持ち続けなさいと。そんな苦しみから逃れるためには、もう、死ぬしかない!」
「ケイ君!」
窓ガラスを通して入ってくる、冬の幻の様な儚い陽の光でも、壁に二人の黒い影を映し出すには十分だった。
「…だから、それを返してよ。その、僕のロマンス・カッターを!」
急に、ケイが暴れ出した。必死になって自分に馬乗りになっている未恋をなんとかどかせて立ち上がる。そして、ロマンス・カッターを握り締める未恋を壁際に追い詰め言った。
「さあ、返して!返さないと、僕は君に何をするか分からないよ。さあ!」
鋭い目つきをしてケイは、未恋に掴み掛かろうとした時、
-バシッ!-
…逆に、ケイは未恋に平手打ちされていた。
「…恐らく、戻らない、ずっと…
これはきっと、僕がほのかを捨てた罰なんだ!ほのかが、僕に用意した裏切りへの罰なんだ。
…笑顔が戻らない苦しみを、死の床へ就くその日まで持ち続けなさいと。そんな苦しみから逃れるためには、もう、死ぬしかない!」
「ケイ君!」
窓ガラスを通して入ってくる、冬の幻の様な儚い陽の光でも、壁に二人の黒い影を映し出すには十分だった。
「…だから、それを返してよ。その、僕のロマンス・カッターを!」
急に、ケイが暴れ出した。必死になって自分に馬乗りになっている未恋をなんとかどかせて立ち上がる。そして、ロマンス・カッターを握り締める未恋を壁際に追い詰め言った。
「さあ、返して!返さないと、僕は君に何をするか分からないよ。さあ!」
鋭い目つきをしてケイは、未恋に掴み掛かろうとした時、
-バシッ!-
…逆に、ケイは未恋に平手打ちされていた。