Romance Cutter ―初恋の傷請け負い人― 第六話・最終話
「!!?」
一瞬、ケイの未恋を押さえつける力が弱まった。その隙をついて、未恋はケイをはねのけた。
「うわっ!」
ケイは、そのまましりもちをついて倒れた。未恋は、ケイを見下ろしながら言った。
「あーっ、もう、腹が立つ!ほのかさんの、女の子の気持ち、全然分かってないのね!好きな人を苦しめてやろうなんて考える女の子なんていないわよ!そんな風に思われていたとしたら、ほのかさんも、永遠に笑えない!」
「ううっ…」



…それからしばらくの間、二人は動くこともなく、会話もせず見つめ合っていた。
未恋は、何気なく窓の外を眺めた。するといつの間にか、ちらちらと雪が降っている事に気が付いた。


-雪?…そう言えば確か天気予報では今日-


…未恋は、不意に部屋のドアに手をかけた。それにケイが反応した。
「!?どこへ?」
「決まってるでしょ?これ、ロマンス・カッターよね?ケイ君を何時までも苦しめてる…」


「…捨ててくる!今すぐ!」
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