Romance Cutter
―初恋の傷請け負い人―
第六話・最終話
「捨ててくる!?
あっ!ちょ、ちょっと待って!」
未恋は部屋を飛び出ると、大急ぎで階段を駆け下り、離れ家の外に出た。
「返してくれ!それは、僕の大切な思い出の…」
ケイも、大急ぎで未恋の後を追った。ケイもまた、未恋と同じく靴下のまま外へ飛び出した。
未恋は庭の真ん中まで来ると、くるりと振り返ってケイを待ち構えた。そこへ、ケイがやってきた。
「お願いだよ、返してくれよ!」
「…安心して、捨てやしないわ。だってこれは、あなたにとって、本当に大切な思い出なんでしょ?…私はね、あなたをここにおびき寄せただけ。
あなたに、これを見せたかったから。」
そう言って、未恋は空を仰ぎ見た。
「…ゆ、雪?」
ケイは、未恋に言われて、今更ながら雪が降っている事に気が付いた。
…何処までも、無垢で、綿のようにふわふわで白い、雪。
今ケイは、その雪に見とれ、ふっと、初めてほのかに会ったあの時の光景を思い出していた。
あっ!ちょ、ちょっと待って!」
未恋は部屋を飛び出ると、大急ぎで階段を駆け下り、離れ家の外に出た。
「返してくれ!それは、僕の大切な思い出の…」
ケイも、大急ぎで未恋の後を追った。ケイもまた、未恋と同じく靴下のまま外へ飛び出した。
未恋は庭の真ん中まで来ると、くるりと振り返ってケイを待ち構えた。そこへ、ケイがやってきた。
「お願いだよ、返してくれよ!」
「…安心して、捨てやしないわ。だってこれは、あなたにとって、本当に大切な思い出なんでしょ?…私はね、あなたをここにおびき寄せただけ。
あなたに、これを見せたかったから。」
そう言って、未恋は空を仰ぎ見た。
「…ゆ、雪?」
ケイは、未恋に言われて、今更ながら雪が降っている事に気が付いた。
…何処までも、無垢で、綿のようにふわふわで白い、雪。
今ケイは、その雪に見とれ、ふっと、初めてほのかに会ったあの時の光景を思い出していた。