★バレンタインの奇跡★
会計の時、溝端君が2人分まとめて出そうとするから、あたしは焦る。
「いくらだった?ってか、今日は溝端君へのお礼なんだから、あたし出すよ!」
「いいよ、チケット代出してもらったし。」
溝端君はそう言うと、さっと会計を済まして、あたしのパスタと彼のハンバーグがのったトレイを持って、開いてる席へと行ってしまうから。
あたしは慌てて後を追う。
「チケット代出したのあたしじゃないし、あの、やっぱりお金…」
「ホントいいって。それよりほら、早く食べよ!うまそ~♪」
そう言うと溝端君はハンバーグを一口口に入れた。
「…じゃあ、あの、ありがとう。今度またお礼させてね!えっと、いただきます。」
そう言ったあたしに、溝端君が少し照れた顔を向けた。
「今度?」