★バレンタインの奇跡★


「えっ、あ、別に深い意味はなくてっ!今日付き合ってもらったのに、あたし何もお礼出来てないし、なんか申し訳なくて、だから、その…」

恥ずかしくて言い訳並べたあたしに、溝端君は笑った。

「そんな思い切り否定しないでよ、傷付くなぁ(笑)オレ的には軽く期待させて欲しかったんだけど☆」

「えっ!?」

もう、心臓がドキドキし過ぎてもたないよ。

溝端君の言葉に、少し期待してしまう自分が嫌だ。

神様、あたしの10年越しの思いは、こんな簡単に崩れてしまうものなの?

「冗談だよ(笑)そんな固まんないでよ。」

あたしの反応に、目の前の溝端君はお腹を抱えて笑ってる。

なんだ、冗談か。

ホッとするのと同時に、何故か寂しさが残る。

冗談、なんだ…


がっかりしてる、自分がいる。


「まいちゃん?」


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